北海道議会第四回定例道議会報告
2011年12月9日
第4回定例道議会は、11月25日(金)に開会、23年度道補正予算、「原子力発電所の安全対策に関する意見書」などを可決し、12月9日(金)に閉会した。
わが会派からは、代表格質問に市橋修治(後志管内)議員が立ち、原発問題、行財政運営などについて質疑を行った。
また、一般質問には笹田浩(渡島管内)、松山丈史(札幌市豊平区)、佐藤伸弥(網走市)、北準一(空知管内)の4議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。
主な審議経過について
今定例会では、会期の短い4定でありながら、開会直前の11月23日に、北電泊原発3号機でのプルサーマル計画検討時の北電の「やらせ」行為に、道幹部職員が関与したとされることについて道が設置していた第三者検証委員会の報告が行われ、定例会開会日の25日午後になって、道民や職員にさらなる痛みや負担の継続を求める、「道行財政改革の取組み」の見直し方向性が示された。さらに、やらせ行為への道幹部職員関与の処分方針が、閉会日前日の12月8日に、やっと示されるなど、道の不誠実な対応が繰り返された。
北電、国、道が関与したことが明らかになったプルサーマル計画に関する「やらせ」について、知事は、道の第三者検証委員会が、「当時の担当課長個人の不適切な対応であり、当時の知事の同意判断に影響を与えたものでない」との報告を行ったことに全面的に依拠する答弁を繰り返し、これを根拠に担当課長を厳重注意、その監督責任として知事自身を減給10%1ヶ月とする処分を行った。
会派は、こうした行為の上で行われた、プルサーマル計画への知事の同意判断は撤回し論議をやり直すことを求め、今回の処分でこの問題の「幕引き」を図るようなことがあってはならないとして議論を展開した。今後のエネルギー施策を検討していくためにも、事業者である北電、さらに関与が明らかになった道、国を含めて信頼を回復するための真相究明が必要であり、今後とも議論を重ねていく。
補正予算案は、開会初日と会期最終日の2回に分けて提案された。冒頭提案分は、災害復旧事業費13億円、端境期対策の投資単独事業費(ゼロ道債)60億円(うち23年度分21億円、債務負担行為39億円)、給与改定等に伴う給与費の減額12億4千億円など。最終日提案分は、国の第3次補正予算に伴うもので、防災対策等のための公共事業費80億円、緊急雇用創出基金の増枠52億円など。この補正によって、23年度の道予算規模は一般会計2兆8388億円、特別会計5854億円の合計3兆4242億円となった。
採択された意見書
(◎は政審発議、○は委員会発議)
◎原子力発電所の安全対策に関する意見書
◎再生可能エネルギー等の導入促進を求める意見書
◎子ども・子育て新システムによる保育制度改革に関する意見書
◎私立専修学校に関する新学校種の創出と財源措置に関する意見書
◎鳥獣被害防止対策の充実・強化に関する意見書
○国立大雪青少年交流の家及び国立日高青少年自然の家の存続を求める意見書
常任委員会・特別委員会
○総務委員会では、沖田清志(苫小牧市)議員が11月1日に北電プルサーマル計画をめぐる意見募集等に係る調査について、11月24日に北電プルサーマル計画をめぐる意見募集等に係る調査報告について、12月8日に職員処分について、滝口信喜(室蘭市)議員が11月24日に北電プルサーマル計画をめぐる意見募集等に係る調査報告について、高橋亨(函館市)議員が11月24日に道原子力防災計画の課題抽出有識者専門委員会の検討結果について、11月28日に新たな行財政改革の取組みについて質疑。
○総合政策委員会では、段坂繁美(札幌市中央区)議員が北海道水資源の保全に関する条例の検討状況について、松山丈史(札幌市豊平区)議員が11月24日に北海道水資源の保全に関する条例の検討状況について質疑。
○環境生活委員会では、北準一(空知管内)議員が11月1日に23年冬の交通安全運動の実施に関する報告について、11月24日に北海道循環資源利用促進税事業に関する報告について、市橋修治(後志管内)議員が11月1日にがれき処理について質疑。
○保健福祉委員会では、広田まゆみ(札幌市白石区)議員が10月6日に北海道におけるピアサポートの現状と取り組みについて、11月24日に北海道の精神科医療の現状と課題について、北海道の精神障がい者等の状況について、12月8日に第2期障がい者就労支援推進計画について質疑。
○経済委員会では、11月1日に向井昭彦(札幌市北区)議員がほっかいどう産業振興ビジョン素案について質疑。
○文教委員会では、勝部賢志(江別市)議員が11月1日に会計検査院による会計検査を踏まえた調査の実施について質疑。
○産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、星野高志(札幌市東区)議員が10月6日に北電のやらせ問題について、11月2日にプルサーマルに関する北電役員関与と再発防止策について、11月24日に平成12年の道民のご意見を聴く会に係る道の独自調査結果について、北電第三者委員会調査報告に対する道の対応について、橋本豊行(釧路市)議員が10月6日に産炭国石炭産業高度化事業について、11月2日及び11月24日に産炭国石炭採掘・保安高度化事業について、向井昭彦(札幌市北区)議員が10月26日に北電第三者委員会調査報告に対する道の対応について、11月2 日に再生可能エネルギーの可視化(賦存量調査)について、11月24日に北電第三者 委員会調査報告に対する道の対応について質疑。
なお、10月26日に北電の佐藤佳孝社長らの出席を求めての参考人質疑が行われ星野議員がプルサーマル公開シンポジウム等に関する第三者委員会からの報告に対する見解及び再発防止策等について、平成12年の道民のご意見を聴く会に関する北海道電力の状況把握等について質疑した。
○新幹線・総合交通体系対策特別委員会では、長尾信秀(北斗市)議員が11月2日に並行在来線五稜郭・木古内間について、笹田浩(渡島管内)議員が11月2日に新幹線の札幌延伸に係る関係市町村への情報提供について、梶谷大志(札幌市清田区)議員が11月24日に新千歳空港の24時間運用について、池田隆一(小樽市)議員が11月8日に並行在来線問題について質疑。
○道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会では、北口雄幸(上川管内)議員が11月2日に総合振興局が所掌する広域事務について質疑。
○少子・高齢社会対策特別委員会では、小林郁子(札幌市中央区)議員が11月2日に介護保険制度の施行状況について質疑。
○食と観光対策特別委員会では、高橋亨(函館市)議員が11月2日に中国及びアジアへの観光プロモーション等について、佐々木恵美子(十勝管内)議員が12月8日に教育旅行における受入体制整備について質疑。
2010年度決算特別委員会
2010年度の道決算を審査する決算特別委員会(長尾信秀委員長)は、11月7日~11日に開かれ、企業会計審査で梶谷大志(札幌市清田区)議員が工業用水道事業会計について、電気事業会計について、稲村久男(空知管内)議員が北海道病院事業会計について、第1分科会(梶谷大志委員長)で小林郁子(札幌市中央区)議員が医療問題について、地域防災について、木村峰行(旭川市)議員が外来種対策について、支庁制度見直しの現状について、地域振興条例について、権限移譲について、道の行財政運営について、北口雄幸(上川管内)議員が庁舎管理について、段坂繁美(札幌市中央区)議員が原子力安全対策について、私立学校補助事業について、第2分科会で佐藤伸弥(網走市)議員が労務単価について、観光について、高校配置計画について、中山智康(伊達市)議員が河川の津波対策について、木質ペレットの普及拡大について、省エネルギー・新エネルギーの促進について、福原賢孝(檜山管内)議員が北海道の漁業振興について、企業誘致と北海道経済活性化戦略ビジョンについて、苫東特会及び石狩特会貸付金について、中小企業総合振興資金について、エネルギー政策について、池本柳次(十勝管内)議員が「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」等の施行状況に関する点検・検証について、東電福島第1原発事故による損害賠償について、異常気象下における農業農村整備事業の推進について、稲村議員が高等学校・特別支援学校の課題について質疑した。
総括質疑では、福原議員がエネルギー政策について、省エネルギー・新エネルギーの促進について、企業誘致と北海道経済活性化戦略ビジョンについて、木村議員が工業用水道事業会計会計について、地域振興について、道の行財政運営について、段坂議員が原子力安全対策について、知事に質した。
<附帯意見>
1.平成22年度末の道債残高は、地方交付税の振りかわりである臨時財政対策債を含め5兆7千億円に上っており、道民生活への影響を最小限にとどめながら、道財政の規律維持に向けた一層の取り組みに努めるべきである。
1.道外の他電力管内と異なり、冬期間に電力需要のピークを迎える本道の電力供給については、北海道電力において、泊発電所1、2号機が定期点検に伴う停止状態が継続する中、発電設備の点検時期の調整や自家発電電力の買い増しなどによって供給予備力を確保したところである。しかしながら、今冬の気象状況や発電設備の計画外の停止などの悪条件が重なった場合の停電を否定できないことから、北海道電力に対して一層の供給確保に努めるよう求めるとともに、道民に対し節電に協力いただくよう呼びかけるべきである。
1.TPPへの参加は、本道の基幹産業である農業分野において、関連産業、地域産業への影響を含め、2兆2千億円に上る損失を及ぼすことが予想されるばかりでなく、医療制度、公共事業の入札、金融など道民の生活に大きな影響をもたらすものである。道が知事会を通じて提出した21分野に関する疑問点に対して、政府に明確な回答を求めるとともに、今後のTPP問題への対応に向けて道庁組織を挙げての体制を整えるべきである。
1.道教委は、文部科学省の指導を受けて、すべての小中学校、道立学校、市町村立定時制高校を対象に、平成18年度から22年度までの5年間について不適切な給与支給がなかったのかの調査を実施することとしているが、道教委の調査結果については、監査委員による監査を要求するとともに、不適切な支給額の返戻及び国庫負担金の返還を確実に行い、再発防止に努めるべきである。
1.病院事業については、その経営状況をあらわす病床利用率、職員給与比率、入院患者数、外来患者数などの数値が平成22年度においていずれも目標を大きく下回っており、結果として、単年度の純損失額は、前年度に比べ縮小しているものの、約13億4千万円を計上し、厳しい経営状況が続いている。
平成20年度から24年度までを計画期間とする「北海道病院事業改革プラン」については、経営形態のあり方を含め前倒しで見直しすることとしているが、外部のノウハウの活用も考慮した実効性ある計画の見直しを早期に行い、経営改善を推進すべきである。
1.工業用水道事業については、単年度収支の黒字化を目指し引き続き経常費用などの見直しを進めるとともに、特に、石狩湾新港地域工業用水道事業については、関係機関等と連携し経営維持に全力を挙げて取り組むべきである。
第4回定例会予算特別委員会
第4回定例会予算特別委員会(高橋亨委員長)は、12月5日~7日に開かれ、第1分科会(道下大樹委員長)で滝口信喜(室蘭市)議員ががん対策について、向井昭彦(札幌市北区)議員が歯と口腔医療について、核燃料税について、原子力に関する防災訓練について、特定課題評価について、職員の適正配置について、梶谷大志(札幌市清田区)議員が新千歳空港における24時間運用拡大に向けた基本方針について、新たな行財政改革の取組みについて、プルサーマル発電等への道の対応について、長尾信秀(北斗市)議員が北海道新幹線と並行在来線について、第2分科会で広田まゆみ(札幌市白石区)議員が木質系バイオマスの利活用とカーボンオフセットについて、北海道農業の自立について、福原賢孝(檜山管内)議員が漁港を活用した栽培漁業の振興について、道営競馬について、エネルギー政策について、中小企業応援ファンドについて、沖田清志(苫小牧市)議員が雇用対策について、三井あき子(旭川市)議員がエネルギー問題について質疑した。
総括質疑では、梶谷議員がプルサーマル発電等への道の対応について、新たな行財政改革の取組みについて、福原議員が北海道新幹線と並行在来線について、エネルギー政策について、滝口議員ががん対策について知事に質した。
<附帯意見>
1.このたび示された、「新たな行財政改革の取組み」の後半期の方向性では、平成24年度以降においても多額の収支不足の状況が続く極めて厳しい財政状況にある。道は、道民生活への影響を最小限にとどめながら、本道の活力ある未来に向け、道民の安全・安心の確保や地域経済活性化の視点に立った行財政改革の着実な推進に努めるべきである。
1.北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線対策については、道は、地域の思いを真摯に受けとめ、沿線自治体の理解が得られるよう全力で取り組み、当面、貨物輸送を担う鉄路維持の方向にある江差線について、旅客を含めた鉄道方式が図られるよう、経費圧縮などの検討を早急に進めるべきである。
1.厳しい雇用情勢が続く中、ジョブカフェ、ジョブサロンによる新規学卒者など若年者や再就職が困難な中高年者への就職支援については、地域からの相談者が多い現状を踏まえ、今後、地域におけるカウンセリング体制の充実に努めるべきである。
1.プルサーマル計画をめぐる道の担当課長の不適切な発言は、行政運営の公正性・透明性を損なうものである。道は、幹部職員への指導監督を徹底するとともに、職員の意識改革などの改善策を早急に講じ、道民の信頼回復に努めるべきである。
1.がんは、子どもから高齢者まで国民2人に1人がかかり3人に1人が死亡する国民病である。その中にあって本道は、喫煙率が高くがん検診の受診率は低く、さらに医療機関の地域偏在が著しい状況にある。一方、がんに罹患した患者は、肉体的・精神的苦痛だけではなく、高額な医療費による経済的負担も大きく、家族を含めた支援が重要になってくる。よって道は、患者や家族の立場に立った「がん対策条例」を制定し、医療体制の整備を図るなど総合的な取り組みを進めるべきである。
当面する課題と会派の対応
国の予算編成について
会派は、12月6日、2012年度の国の予算編成に関わる要望と提言を提出した。
民主党北海道が11月15日に提出した、2012年度政府予算編成等に関わる北海道重点要望(①関税撤廃を原則とするTPPについては、慎重に対応し、国民合意のないまま参加は行わないこと②食料自給率の向上に資する力強い北海道の農山漁村づくりと北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の実現③新成長戦略をリードする北海道観光の振興と再生可能エネルギーの導入促進④雇用の確保や地域医療の確保など、安心できる道民生活の実現⑤北海道新幹線など高速交通ネットワークの整備促進と北海道開発予算の総額確保)を補強する地域課題を要望、提言した。
