中山ともやす議会レポート

北海道議会議員 中山ともやす WEBサイト 北海道/伊達市

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北海道議会第二回定例道議会報告

2008年6月28日

 第2回定例道議会は、6月10日(火)に開会、道補正予算案、「北海道総合振興局設置条例」、「アイヌ民族を先住民族と位置づけるための措置に関する決議」、「地方財政の充実・強化を求める意見書」などを採択し、28日(土)に閉会した。
 わが会派は、代表格質問に福原賢孝(檜山支庁)議員が立ち、支庁制度見直し、地方分権改革推進委員会勧告、地域医療確保などについて質疑を行った。
 また、一般質問には、小林郁子(札幌市中央区)、中山智康(伊達市)、広田まゆみ(札幌市白石区)、須田靖子(札幌市手稲区)、斉藤博(函館市)、平出陽子(函館市)の6議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。

1 主な審議経過について

 今定例会の大きな論点は、議論は、知事が、強い反発や懸念の声を押し切って提案した、支庁制度見直しの取り扱い。本会議質問から、27日の道州制特別委員会での知事総括質疑まで、全会派を通じて、条例案への疑問、地域との対立への懸念、反発の背景になっている道の地域切り捨て姿勢への不安などへの質問が相次いだが、答弁は、説得力に欠けるもので終始した。
 サミットを控えて、前倒しされ、しかも会期が18日間と極めて短い第2回定例会をめがけて、提案を強行したこと自体が、十分な議論を避けようとしたと批判されてもやむを得ない対応だ。
見直し案の庁内での議論は不十分、従って地域や道民との説明や協議も不十分であり、論議の大前提であるはずの、新たな機構の組織、業務、人員規模等も、まったく具体性を欠いたままでの提案、論議となった。
 14支庁地域に、区別、格差を持ち込み、地域の衰退を招く可能性の強い見直し案を提示しながら、見直しを認めてくれれば、その後に、地域支援策や地域との協議体制を検討するという趣旨の答弁が繰り返された。
 会派は、質疑を重ねた上で、知事には、立ち止まっての再考を求め、他会派には、継続しての審議を提案したが、知事及び自民、公明会派は、採決を強行、可決した。

2 採択された決議・意見書
(◎は政審発議、○は委員会発議、●は自民会派発議)
◎アイヌ民族を先住民族と位置づけるための措置に関する決議
◎地方財政の充実・強化を求める意見書
◎勤労貧困層の解消に向けた社会的セーフティネットの再構築に関する意見書
◎食料供給力の強化に関する意見書
○消費者行政一元化と地方の相談体制強化を求める意見書
○「臓器の移植に関する法律」の早期見直しを求める意見書
○義務教育の機会均等の確保と教育予算の拡充を求める意見書
○へき地等学校等の級別指定基準の改善に関する意見書
○第二期地方分権改革における農業・農村整備事業の国と地方の役割の見直しに関する意 見書
○農業生産資材等(燃油・肥料等)の価格高騰対策に関する意見書
○燃油高騰による漁業の非常事態に対する緊急対策を求める意見書
○国による公的森林整備の推進と国有林野事業の健全化を求める意見書
○携帯電話リサイクルの推進を求める意見書
○日本映画への字幕付与を求める意見書
●道路整備に必要な財源の確保に関する意見書

※会派は、「後期高齢者医療制度の廃止、抜本的見直しを求める意見書」、「道路財源の一 般財源化等を求める意見書」を提案したが、自民・公明会派の反対で否決された。
なお、後期高齢者医療制度意見書の提案説明は北口雄幸(上川支庁)議員、道路財源意 見書の提案説明は、橋本豊行(釧路市)議員が行った。

第二回定例道議会 中山道議質疑内容

 1 ポストサミットについて
 (1)環境総合展2008について
 (2)ポストサミットとしての環境施策に対する道民の期待について
 (3)経済活性化への道民の期待について
 (4)企業の地域貢献について
 2 アイヌ問題について
 (1)サミットを契機としたアイヌ文化の発信について
 (2)道の機構強化について
 (3)平成18年北海道アイヌ生活実態調査報告書について
 3 環境産業への取り組みについて
 (1)知事の基本認識について
 (2)環境産業の振興に向けた取組について
 (3)関連産業の連携について
 4 森林環境税について
 (1)仮称・緑環境総合補助金の創設について
 (2)わかりやすいモデルケースの作成について
 (3)木質バイオマスエネルギー利用促進対策への利用について
 5 配合飼料価格高騰問題について
 (1)配合飼料価格高騰の要因と現在の対応について
 (2)道としての積極的な対応について
 6 バターの不足問題について
 7 北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録について

当面する課題と会派の対応

(1)支庁制度見直しについて
 第2回定例会の焦点となったのは、支庁制度見直し。サミット開催に備え、日程を大幅に前倒しした定例会に、知事は、「北海道支庁設置条例」を全面改正し、現行の14支庁を、9総合振興局(支庁)と5振興局(支庁出張所)に再編する、「北海道総合振興局設置条例案」を提案した。
 しかし、数々の問題点が未解決なままでの提案。
 第1の問題点は、道が地域行政から撤退、地域を切り捨てる姿勢が、むき出しであること。知事は、「地域は重要」、「頑張る地域を支援する」、「地域の意見を伺う」と言うが、具体性は、まったく伴っていない。
 国からは、公立病院の再編統合、消防の広域化、小中学校の統廃合基準の持ち込みなど、住民生活の基盤が根底から揺らぐ方針が次々に示されているが、いずれも、人口のみを基準にした効率化を目的としたものだ。道も、国から言われるままに、こうした方針を地域に求めるばかりの対応をしている。
 支庁をはじめとする道の出先機関の見直しも、道の財政状況を理由にした、いわば一方的な都合の押し付けだ。人口が減ったからとして、道立高校や道立病院・診療所を含む道の出先機関の撤退が続いている。衰退が厳しい地域に、より厳しい合理化を押し付ける振興局(支庁出張所)の発想は、地域切り捨ての象徴的な対応と言うべきで、残念ながら地域の特性を踏まえた地域振興策の策定、それを積み上げた北海道全体の振興の観点が、まったく欠落している。
第2の問題点は、道州制など地方分権型社会実現に向けた取り組みになっていないこと。支庁制度見直しの論議経過を振り返れば、堀道政時代の、地域分権社会構築の中に位置づけられた、地域に真に役に立つ、地域行政の事務局的な役割として支庁を再編強化する方向が、高橋道政になって、一方的に、行財政改革を理由とした縮減・廃止方針に変更された経緯がある。
 地方分権型社会実現のためには、権限も財源も、住民に最も身近な基礎自治体(市町村)に移譲されていくべきだが、道州制や基礎自治体(市町村)強化が実現するまでの間は、道が地域行政に責任を持って参画していくことは当然だ。極めて厳しい市町村の財政状況や、道から市町村への事務・権限移譲も進んでいない現状で、道が地域で果たすべき役割は、依然として大きい。地域ビジョンの具体的な提示をしないままで、地方分権が国や道の財政再建の手段に押し込められるべきではない。
 第3の問題点は、政策形成についての責任が不明確になっていること。検討、議論の過程で、道庁の一部局においての判断で見直しの理念や内容が次々に変わり、このことが、市町村や住民に極めて深刻な不信感を招いている。しかも、議会論議の最終段階である予算特別委員会総括質疑で、「新たな自治のかたちづくり条例」や「地域振興条例」の制定、毎年数億円規模の地域振興基金創設など、唐突で場当たり的な地域振興策が飛び出した。庁内における検討が、いかに不十分であったかを示すものだし、地域や住民への対応の真摯さを欠く対応であると指摘せざるを得ない。
 第4の、そして、現段階での最大の問題点は、地域、住民の合意を得る取り組みをしていないこと、地域の声を無視していること。北海道町村会など道内地方4団体が、条例提案は、地域との協議抜きで行われ、拙速で地域切り捨てとの強い反発姿勢を示し、議会決議、大規模集会や各種要請、議会傍聴などの地域からの抗議行動が続く中での異例の論議となった。今後の道政運営、地域行政に深刻な亀裂を残すことが懸念される。
 会派は、こうした問題点の解決が支庁制度論議の前提であるとの観点で、5月13日に知事に提言を提出した上で、地域無視での拙速なやり方を反省し、支庁制度見直しへの地域や庁内での議論を、さらに継続すべきであるとの立場での議論を展開した。
こうした議論の結果、条例案が付託された道州制・地方分権改革等推進特別委員会では、継続審査を求める動議を提出したが、自民、公明会派の反対で否決された。こうした、地域住民の意思をまったく無視しながら、地域における道行政の拠点である支庁の見直しが強行されることに、退席で抗議の意思を表明した。また、本会議での条例案採決の際も、会派議員が退席して、強い抗議の姿勢を示した。
道は、来年4月からの条例施行を目指しているが、支庁出張所という新たな組織を置こうとすることで、施行のためには公選法改正が前提であるなど、今後も論議が続く。道民、地域とともに北海道の将来を見据えた地方分権、地域行政のあり方を議論していく。