中山ともやす議会レポート

北海道議会議員 中山ともやす WEBサイト 北海道/伊達市

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山智康@北海道議会 NAKAYAMA TOMOYASU

北海道議会第一回定例道議会報告

2010年3月24日

 第1回定例道議会は、2月23日(火)に開会、道の22年度予算案、地方独立行政法人・道立総合研究機構の発足関連議案、副知事等の人事案件、「企業・団体献金の禁止等を求める意見書」、「教育予算の大幅な拡充及び高校教育の無償化を求める意見書」などを可決し、3月24日(水)に閉会した。
 わが会派からは、代表質問に岡田篤(釧路支庁)議員が立ち、知事の政治姿勢、新年度予算案等の財政課題、支庁制度見直し等の地方分権課題、景気・雇用対策、地域交通対策等について質疑を行った。
 また、一般質問には佐藤伸弥(網走市)、市橋修治(後志支庁)、河合清秀(岩見沢市)、北口雄幸(上川支庁)、道下大樹(札幌市西区)、北準一(空知支庁)、須田靖子(札幌市手稲区)、沖田龍児(苫小牧市)、佐々木恵美子(十勝支庁)、星野高志(札幌市東区)、福原賢孝(檜山支庁)の11議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。

主な審議経過について
 1定では、高橋知事任期最終の政策予算となる22年度の道予算案が審議された。一般会計の規模は、2兆8,181億円で、前年度当初予算費2.0%減。4年連続で直轄事業負担金を計上留保する実質赤字型の予算編成となった。また、一昨年秋以来、国が経済対策として、都道府県に置いた基金を大幅に取り崩し、予算案発表の記者会見の際に知事が、「来年度、再来年度の基金が少なくなるが、それはその時考える」と述べるほどに、やっと収支のつじつまを合わせたものだ。
道債残高は、22年度末見込みで5兆7千億円と過去最高を更新、知事の行財政改革プランである「新たな行財政改革の取組み」の目標年次である26年度末の見込みも、目標の5兆円を上回る5兆2千億円で、取り組みは破たん状態に陥っている。道債残高については、昨年度から「『新たな取組み』策定時には見込み得なかったもの」として、減収補てん債や補正予算債、臨時財政対策債の一部を「別枠」としているが、定例会質疑では、「これらの道債は、地方交付税や地方税の振り替わりであり、後年度に国からの財政措置もあることから、削減は道財政運営の目標とするにはなじまない」との強引な説明を行うなど、「取組み」の破たんを言いつくろう姿勢に終始した。
 経済雇用状況の深刻な停滞を招き、それが道税の急激な減収にもつながっている、知事の経済戦略の失敗についての論議では、知事就任以来、自動車関連の道央地域への集積、大企業の誘致を主軸に据えてきたにもかかわらず、その検証や反省をすることなく、知事は、今度は、「健康」、「環境」、「国際」を三本柱にした「北海道価値」や「北海道ブランド」を全面に押し出すとの答弁をした。道内各地での地域振興を果たすためには、これまでの経済戦略が破たん状態にあることを踏まえての反省に立った経済戦略の再構築が求められている。
知事が、就任以来、急激に進め、地域に混乱を引き起こしてきた支庁制度改革については、「総合振興局・振興局条例」の施行を4月を控えながら、地域との協議が整わず、定例会の最中にも、さらに方針が二転三転した。最終盤の予算特別委員会での知事総括質疑でも、「不安や懸念を抱いている地域もある」との認識を示さざるを得ず、総合振興局に集約したいとしてきた、いわゆる広域事務については、これまでも広域で事務処理してきた土木現業所にかかる7項目と、研修、福利厚生など道職員に関する5項目の12項目のみをスタートさせ、その他の項目については、今後3年間程度かけて、地域との協議・検討をしていくとの姿勢を示した。
 「100年に1度の改革」として、知事のトップダウンで着手した支庁制度見直しは、結局、市町村や住民との溝を広げ、それにより引き起こされた混乱によって、地域においたの、地方分権の推進や地域活性化の論議・取り組みも進まないという結果に終わった。
 また、教育課題について、道教委は、抽出調査方式にあらためられた全国学力テストについて、道が経費負担することでの、全員調査方式にこだわり、全道の市町村教委に参加を強要した。ところが、札幌市が抽出調査での実施を決めるなどで、意義も効果も説明できないままで、新年度は国の「緊急雇用創出事業基金」で臨時的に対応しようとしている。さらに、職員団体に関しては、労使関係のあり方そのものにまで踏み込むような調査の実施方針を打ち出すなど、自民党、自民会派の意向に沿った対応ぶりに終始した。

採択された意見書・決議
(☆は民主会派発議・自民会派反対、◎は政審発議、○は委員会発議、●は自民会派発議・民主会派反対)

☆企業・団体献金の禁止等を求める意見書
☆教育予算の大幅な拡充及び高校教育の無償化を求める意見書

◎雇用対策の拡充を求める意見書
◎若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める意見書
◎児童虐待を防止するための親権制限を求める意見書
◎学校耐震化促進を求める意見書
◎医療的ケアの必要な子どもの就学に係る地方自治体への支援を求める意見書
◎持続的な農業・水産業政策の確立を求める意見書
◎座礁船舶や漂着船舶の処理等に係る制度の早期確立を求める意見書

○北海道農業の発展に必要な生産基盤整備等に関する意見書
○介護福祉士等修学資金貸付制度の拡充を求める意見書
○独立行政法人雇用・能力開発機構が設置する地域職業訓練センターの機能存続に関する 意見書

●北海道教育への信頼を回復し正常化を求める決議
●鳩山由紀夫衆議院議員並びに小沢一郎衆議院議員の「政治とカネ」にかかわる問題の全 容解明と説明責任を果たすよう求める決議
●小林千代美衆議院議員の議員辞職を求める決議
●石川知裕衆議院議員の議員辞職を求める決議
●鳩山由紀夫衆議院議員の偽装献金による所得税控除問題の真相解明を求める意見書
●政治資金規正法の制裁強化を求める意見書
●教育再生・教育の正常化の徹底を求める意見書
●教育公務員特例法の早期改正を求める意見書
●職員団体等の政治活動に関する法整備を求める意見書
●新成長戦略に関する早期の工程表の作成及び今後政策を推進する上での財政展望の明示 を求める意見書
●漢方薬の保険適用除外に対する意見書
●中国向け輸出水産食品の衛生証明書発行制度の改善を求める意見書

※「企業・団体献金の禁止等を求める意見書」、「教育予算の大幅な拡充及び高校教育  の無償化を求める意見書」の2件は、民主会派が提案、自民会派は反対に回ったが、  自民以外の会派の賛成で可決された。

 ※「北海道教育への信頼を回復し正常化を求める決議」以下の12件は、自民党が、政  権批判のために、地方議会に大量の決議・意見書等の提出を求めている動きに沿って  自民会派から提出されたもの。民主会派は、党利党略を地方議会の場に持ち込むもの  であったり、政権公約実現に向け従来の政策の点検作業や見直し議論等が進行する過  程での拙速な内容であるなどとして反対した。

 ※なお、会派は、このほかに、政権公約推進の立場で、
  「日米間の外交に関わる密約問題の徹底解明等を求める意見書」、
  「地域主権の確立及び地方財政制度の抜本的改革を求める意見書」、
  「医療提供体制の拡充に関する意見書」、
  「地球温暖化対策基本法の制定を求める意見書」
の4件の意見書案を提案したが、自民会派、公明会派の反対で否決された。

委員会における主な質疑
(1)常任委員会・特別委員会
○総務委員会では、小林郁子(札幌市中央区)議員が2月2日に北海道立道民活動センタ ーの指定管理者の候補者選定について、3月24日に北海道特定事業者行動後期計画の 策定について、滝口信喜(室蘭市)議員が2月2日に北電泊発電所における保安規定違 反に対する根本原因分析の結果について質疑。
○総合政策委員会では、段坂繁美(札幌市中央区)議員が1月5日に22年度国費予算案 の概要について、北口雄幸(上川支庁)議員が1月5日に市町村立病院の経営健全化等 について、3月24日にパソコンソフトウェアの管理について質疑。
○保健福祉委員会では、福原賢孝(檜山支庁)議員が1月5日に自殺予防対策について、 2月22日に難病対策について、三井あき子(旭川市)議員が2月2日に障がい者就労 支援推進計画素案及び道立身体障害者リハビリテーションセンターの見直し方針案につ いて、2月22日に平成21年度医師勤務実態調査結果について、河合清秀(岩見沢市) 議員が2月22日に北海道歯科保健医療推進計画案について質疑。
○経済委員会では、池田隆一(小樽市)議員が1月5日に海外との経済交流推進方策改定 案及び北京における情報拠点の設置について、橋本豊行(釧路市)議員が1月5日に高 等技術専門学院の統廃合に伴うフォローアップ体制について、2月2日に地域職業訓練 センターについて、広田まゆみ(札幌市白石区)議員が2月22日にコミュニティビジ ネスについて質疑。
○農政委員会では、北準一(空知支庁)議員が2月22日に乳牛の受胎率低下について質 疑。
○水産林務委員会では、岡田篤(釧路支庁)議員が2月2日及び3月8日に北方四島周辺 海域安全操業船への銃撃事案について、田島央一(宗谷支庁)議員が2月2日、2月2 2日及び3月8日に北方四島周辺海域安全操業船への銃撃事案について質疑。
○建設委員会では、三津丈夫(帯広市)議員が2月22日に「北海道における総合評価方 式のあり方」について質疑。
○文教委員会では、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が、2月2日に指定管理者の候補者選 定について、3月24日に医療的ケアの看護師配置について、道下大樹(札幌市西区) 議員が2月2日に全国学力テストについて、3月24日に定例会中等での道教委の対応 と答弁について、沢岡信広(北広島市)議員が3月15日に教育委員会と教職員団体と の関係などについて、役員の逮捕について、教特法など法令について、学校における各 種団体に対する便宜供与について、地域・保護者等への認識について、服務遵守の取り 組みについて、北教組の活動について、3月24日に学校現場での「パワーハラスメン ト」について質疑。
○産炭地域振興エネルギー問題調査特別委員会では、星野高志(札幌市東区)議員が2月 3日に北電泊発電所における保安規定違反に対する根本原因分析の結果について質疑。
○北方領土対策特別委員会では、田島央一(宗谷支庁)議員が2月3日に北方四島周辺海 域安全操業船への銃撃事案について、岡田俊之(渡島支庁)議員が2月3日に北方四島 周辺海域安全操業船への銃撃事案について質疑。
○新幹線・総合交通体系対策特別委員会では、沖田龍児(苫小牧市)議員が2月22日に 新千歳空港と組織の一元化について質疑。
○道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会では、段坂繁美(札幌市中央区)議員が1 月6日、2月3日及び2月22日に支庁制度改革について、木村峰行(旭川市)議員が 2月22日及び3月24日に支庁制度改革について、梶谷大志(札幌市清田区)議員が 3月24日に「自治のあり方条例」について質疑。
○少子・高齢社会対策特別委員会では、小林郁子(札幌市中央区)議員が2月22日に第 二期北の大地☆子ども未来づくり北海道計画案について、3月15日に介護保険法に基 づく認知症高齢者グループホームでの火災について質疑。

(2)第1回定例会予算特別委員会
 第1回定例会予算特別委員会は、3月15日~23日に開かれた。21年度の最終補正予算案の先議審査では、梶谷大志(札幌市清田区)議員が財政運営について、道有財産の売却処分について、雇用対策について、循環資源利用促進税について、バイオマス利活用フロンティア推進事業について、太陽光発電について質疑した。
 分科会審査では、第1分科会で稲村久男(空知支庁)議員が地域医療対策について、道立試験研究機関の地方独立行政法人化について、梶谷議員が医療問題について、認知症対策について、高齢者施策について、支庁制度について、ハザードマップについて、関与団体について、小林郁子(札幌市中央区)議員が子ども・子育て支援策について、発達障がい者支援について、勝部賢志(江別市)議員が障がい者条例について、障がい者歯科医療協力医制度について、医師不足対策について、パソコンのソフトウェアの違法コピー問題について、三津丈夫(帯広市)議員が保健医療福祉関係義務費について、今後の医療制度等について、地域主権について、危機管理について、財政について、私学助成について、斉藤博(函館市)議員が市町村振興対策について、夕張市の財政再生計画について、支庁制度について、第2分科会(田村龍治委員長)で中山智康(伊達市)議員が義務付け・枠付けの見直しについて、新幹線の建設と公共土木施設の維持管理について、総合評価方式のあり方について、世界文化遺産の登録推進と、広田まゆみ(札幌市白石区)議員が道営住宅について、道営住宅への主開閉器契約の導入について、「新しい公共」について、これからのNPO支援の考え方について、道のNPO・協働施策の現状について、協働の取り組みについて、市民活動促進条例の見直しについて、生涯教育のあり方について、図書館と読書活動の推進について、読書活動の推進と学力向上対策について、滝口信喜(室蘭市)議員が組織機構改正(土木現業所、空港港湾局)について、地球温暖化対策について、アイヌ政策の推進について、芸術文化行政(札幌交響楽団、道立美術館)について、池田隆一(小樽市)議員がダイオキシン対策について、PCB対策について、アスベスト対策について、当面する教育課題について、三井あき子(旭川市)議員が消費者行政について、第3分科会で橋本豊行(釧路市)議員が漁業後継者の就業支援について、コンブ漁業の調査及び安定生産体制について、雇用確保対策について、中高年者等再就職支援事業について、高橋亨(函館市)議員が道立水産試験場と地域の連携について、スケトウダラTACへの対応について、今後の観光戦略と新幹線効果について、田島央一(宗谷支庁)議員が鳥獣被害防止総合対策について、休暇分散化について、観光戦略について、長尾信秀(北斗市)議員が北海道農業の生産振興について、経済・産業の活性化について、日下太朗(網走支庁)議員が農業試験研究機関の独法化について、伊藤政信(札幌市厚別区)議員が労働力人口について質疑した。
総括質疑では、斉藤議員が夕張市の再生計画について、支庁制度改革について、アイヌ施策の推進について、雇用対策について、観光振興について知事に質した。
新年度予算案への対応は、一般会計予算案について組み替え動議を提出し、反対した。動議の提案説明は、予算委員会では勝部道議が、本会議では河合清秀(岩見沢市)議員が、それぞれ行った。
 なお、開会初日の本会議に行われた、経済対策等の補正予算案の冒頭先議では、須田靖子(札幌市手稲区)議員が経済・雇用状況への認識について、緊急雇用創出事業について、きめ細かなインフラ整備事業について、緑の分権改革推進事業費について質疑した。

当面する課題と会派の対応

1 新年度道予算への対応について
定例会で提出した予算組み替え動議の内容、道予算編成に向けて会派が1月22日に知事に提出した要望の内容は、次の通り。
議案第1号平成22年度北海道一般会計予算については撤回し、組み替えの上再提出を求める動議
議案第1号平成22年度北海道一般会計予算については撤回し、次により組み替えの上再提出を求める。
 政権交代に伴い、国は「国民の生活が第一」の方針に基づいて新年度予算を編成した。道の予算も、これと連動し、北海道の活性化、地域振興、道民生活の安定に向けて、編成されるべきであったにもかかわらず、「新たな行財政改革への取組み」に基づいた地域や道民への負担転嫁を続け、北海道の展望が描かれていない予算案となっている。
よって、以下の内容を中心に、平成22年度予算案(第1号)を、組み替えの上、再提出すべきである。
組み替えの主要項目
1 北海道の自治のすがたについて
(1)市町村支援対策について
 現行の「地域政策総合補助金」と、「地域再生チャレンジ交付金」を統合した、「地域づくり総合交付金」については、様々な厳しい課題に直面し、苦しむ地域の振興に向け、地域の特色や潜在力を活かすことを目的とする「北海道地域振興条例」に基づいた施策としているにもかかわらず、その事業内容や予算規模は既存の二つの施策を単純に統合したものにすぎない。
 地域の実情に沿って実効性を上げるための事業見直しや、交付率見直し等の制度設計における一体化も十分に図られておらず、急づくりの感が否めないものであり、道内における分権の観点に立った制度として再設計すべきである。
(2)支庁制度改革について
「北海道総合振興局・振興局設置条例」の施行を前提として、支庁の名称変更に伴う諸経費が計上されている。しかし、条例に基づく正式協議において、地域との協議が整わないままでの見切り発車は、道内における分権の観点、道行政の円滑な執行の観点から行われるべきではない。混乱に次ぐ混乱を引き起こしてきた知事みずからの取り組みを真摯に反省し、道が地域行政で果たす役割・責任を地域と十分に協議すべきである。
2 雇用対策について
(1)国の交付金事業について
 雇用対策予算は、大幅に増額されたとしているが、その内実は、国の「緊急雇用創出」、「ふるさと雇用再生」の二つの基金の取り崩しで額を確保したものだ。大幅な取り崩しによって、23年度以降は基金がほぼ底をつくが、どのような雇用戦略をもっての事業積み上げなのかが明確にされていない。
 戦略目標が不透明な事業費積み上げで、基金を使い果たすのではなく、来年度以降を見据え、安定雇用や地域雇用の創出につながる事業として再構築すべきである。
(2)道自体の事業展開について
 雇用対策の内容は、国の基金等を利用した委託費などが主体となっており、道が自ら責任を持って実施する事業が極めて少なく、有効性に疑問が生じる状況だ。4年間で10万人の雇用創出を目指す「北海道雇用創出基本計画」の目標達成が危惧されるいま、事業を精緻に見直し、道の主導による事業に組み替え、実効を確保すべきである。
3 観光振興対策について
(1)観光集客事業について
 観光振興対策のうち「北海道観光ブランディング事業」、「東アジア成長市場誘客推進事業」は、旅行代理店に補助する手法となっている。しかし、集客は旅行代理店の本来業務であり、それを税金で支援することには疑問が生ずるものだ。
 こうした単発的な売り込み策を、旅行代理店に丸投げするのではなく、現場におけるホスピタリティ向上や、外国語による案内標記拡充など、効果が継続する北海道観光の受け入れ基盤整備に、予算を振り向けるべきである。
(2)観光宣伝事業について
 道民の道内旅行の促進に向け、道内のテレビ・ラジオでPRするとの「北海道観光地産地消推進事業費」や、「北海道観光映像発信事業費」の観光宣伝事業費が計上されている。
 しかし、こうした取り組みは、民間も含め、多くの既存の類似事業があり、また、「北海道観光振興機構」などが主体的に実施すべきものだ。いわば「旅チェン」のPRに、道が新たに1億円も支出する、新規事業化の必要性は認められないため、撤回し、官民の役割分担での北海道観光振興を図るべきである。
4 教育課題について
(1)全国学力テストについて
 政権交代に伴い、抽出形式にあらためられた全国学力テストについて、抽出されなかった学校分の解答の回収、採点、集計の費用を道が負担する9,600万円は、その意義、効果とも疑問が持たれるものであり、必要性が求められないため撤回すべきである。
 その上で、教育予算が限られている中、優先順位の低いこのような事業に予算を使うのではなく、真の学力向上に効果的な、少人数学級編制などの実現に予算を振り向けるべきである。
(2)私学就学支援について
政権交代に伴い、国の公立高校授業料実質無償化、私学就学支援拡充が行われた。これを受けての道の私学就学軽減補助の再編では、年収250万円未満の世帯で授業料が実質無償化になるとされている。
しかし、高橋道政下で財政難を理由に私学助成の抑制が続き、新年度の私立高等学校授業料軽減補助金も1億円以上削減されており、これを見直し、実質無償化の拡充など、私学就学支援策を再構築すべきである。

2010年度 北海道予算編成に関する要望・提言
 国においては、政権交代に伴い、戦後半世紀、自民党・中央省庁・業界団体が構築されてきた仕組みに変わる「国民の生活が第一」の仕組みづくりが急がれている。
 鳩山政権が掲げている政権公約の実行を機に、北海道の活性化、地域振興、道民生活の安定に結びつけていくために、2010(平成22)年度の道予算編成に際して、下記の事項について実現を図るよう、要望・提言する。

1.政権公約実現と連動した北海道の活性化、道民生活安定のために
①国の地方交付税拡充、直轄負担金廃止、特定財源制度見直し等が、真の地方重視につながるように、道内自治体等と連携協議し対処すること。
②食料自給率向上、地域社会維持再生のためにも、農業者・農村を支える「戸別所得補償制度」の円滑な実施、今後の作目の拡大等に取り組むこと。
③子ども手当の円滑な実施に協力するとともに、地域で産み育てることができる医療、保育(学童を含む)、教育の環境整備を進めること。
④極めて深刻な医師不足解消には、医育大学を医師の養成、派遣、卒後研修等の中核として再整備する必要がある。医師養成数を1.5倍とする政権公約に対応するため、札幌医大の整備、国立2大学(北大、旭川医大)の整備支援、医師養成大学の新設検討等に対応すること。
⑤当事者、地域の不安を解消するために、後期高齢者医療制度の廃止に伴う高齢者医療のあり方の抜本的かつ早急な再検討に取り組むこと。
⑥学校に通うことが経済的に困難な子ども達が増えている。国の高校授業料相当支援の 実施を契機に、道としての奨学金制度の整備拡充等の経済的就学困難児童生徒への支援措置を強化すること。私学についても、運営支援と保護者負担軽減を図るために、私学への道費助成の削減措置を取りやめ、私学助成の充実を図ること。
⑦大型公共事業、関与団体、各種基金等を含む道の事業・施策の徹底した見直しを、公開と参加の原則の下で行うこと。

2.北海道の自治のすがたの確立のために
(1)地方分権の進め方
①地方分権実現のためには、国と地方の役割分担を明確化した上で、事務権限・財源・人をセットとした移譲手法等が、国と地方が対等の立場で協議されるべきであり、北海道をはじめとする地方において国が果たすべき役割の制度設計が必要である。国・都道府県(道州)・市町村の役割分担、権限・税財源のあり方等を明確にした地域重視の「北海道の自治のすがた」を道民や市町村とともにつくりあげること。また、こうした協議・手順抜きで、地方支分部局統廃合等が先行されるべきではない。道内での十分な議論を踏まえて、政府や他地域との協議に取り組むこと。
②道の支庁制度改革、出先機関見直し等についても、財政の観点のみでなく、道行政が地域から信頼され施策効果が発揮される観点を重視して進めるべきだ。道が地域行政 において果たす役割を明らかにした上で、総合振興局・振興局を地域が直面する医療、産業振興等の深刻かつ広域的な対応が必要な課題に責任を持ち対処する機能とすること。総合振興局条例施行に際しては、地域との合意形成を図るための十分な協議を重 ねること。
(2)道行財政改革の進め方
①行財政改革は、苦しんでいる道民や地域にさらなる痛みを与える続けるものであってはならない。一律な大幅削減一辺倒、道債縮減目標一辺倒の計画ではなく、弱者や条件不利地域に配慮し、道民生活への影響を極力抑えつつ、地域再生・地域雇用創出等 を導き出すよう取り組むこと。
②世界同時不況に端を発した経済減退に伴う税収の大幅な落ち込み、経済対策のための道債発行、政権交代に伴う抜本的な地方財政に関する各種措置の見直し等が同時並行で動く中で、「行財政改革プラン」の根底が大きく揺らいでいる。道財政の危機的状況を脱するためのプランとして早急に再構築すること。
(3)地域への支援
①市町村が取り組む広域連合・広域連携等の多様で自主的な自治のあり方を認め、基礎的自治体(市町村)の役割発揮のための支援措置を拡充強化すること。
②財政再生団体となった夕張市では、住民が暮らすための行政機能の存続維持が危惧されている。地域の崩壊を防ぐ観点から、再生計画期間の短縮、行政機能の維持、行政サービス確保のための支援を拡充すること。

3.経済の活性化・雇用を改善し生活不安や深刻な格差を解消するために
(1)安定した雇用の確保とセーフティネットの強化
①道内では、労働条件が不安定で劣悪な非正規型の雇用が増え続けている。関係団体等 と協力しての長期の安定雇用、正規雇用の創出・拡充に取り組み、勤労者・離職者への融資制度等を含む社会的セーフティネットの再構築、労働条件における均等待遇の実現、最低賃金大幅引上げ、ワンストップサービスの常設化等に取り組むこと。
②「地域密着型の雇用創出策」を導き出すために、環境や安全・安心に着目した経済活 性化策を講じるべきである。本道の優位性であるとしてきた「食」、「環境」を活かす産業おこし、雇用創出を道がリードしていくこと。「食」や「環境」に着目した、森林育成、自然エネルギー活用、省エネ・新エネの技術開発等による雇用拡充を推進すること。北海道雇用創出基本計画を、こうした観点を取り入れて、早急に再構築すること。
③道内においても、農林漁業、水産加工業、高齢者介護等の分野においては、慢性的な 人手不足が生じており、雇用の構造上の問題(ミスマッチ)の解決が、極めて重要だ。 外国人研修・技能実習制度によって就業者の確保をしのがざるを得ないような、人手 不足を生じさせている厳しい労働条件・待遇の速やかな改善の取り組みを支援し、地域での雇用を確保すること。地域におけるマッチングのための取り組みを講じること。
④新規学卒者を含む若年者を取り巻く雇用の状況は一段と厳しさを加えている。企業への求人要請といった従来レベルにとどまらない地域ぐるみでの対策を強化すること。
⑤季節労働者を取り巻く状況は厳しくなる一方であり、季節労働者の特例一時金の復元拡充に取り組むこと。建設・季節労働者の冬期雇用を、公共事業平準化等を講じ道が 率先して推進すること。通年雇用促進支援事業の実施主体である「地域協議会」が主体的な事業をより実施できるよう委託条件を見直すこと。自治体における季節労働者対策の冬期事業拡充への支援措置を講ずること。
(2)地域重視の経済活性化
①知事が経済戦略の主軸としてきた「自動車関連中心の企業誘致」等は崩壊状態にある。本道の優位性である「食」や「環境」を主軸とする経済戦略を早急に再構築すること。その際、道内各地域の特性を踏まえた上で、地域間格差が生じないよう実効性の高い 地域経済の振興策を講ずること。
②原材料供給型から脱却し切れていない道内農林水産業の実態を踏まえ、農林漁業者と商工業者が連帯、道や市町村の試験研究機能等も一丸となっての付加価値向上、地域資源を活かした産業おこしに取り組むこと。
③中小・小規模企業が活用しやすくなるよう制度融資の見直しを行い、資金供給の円滑化を図ること。
④社会資本整備、公共事業については、大型事業中心から、暮らしに役立ち、地域企業の事業量確保にも効果的な事業中心への転換を図ること。道路、橋りょう等の今後の維持補修のあり方を検討、実施すること。
(3)農林水産業の強化発展
①道産食品の「安全・安心フードシステム」づくりの推進や、食品履歴情報(トレーサ ビリティ)実施食品の拡大等での道産食品の安全・安心強化に取り組むこと。こうした優位性を生かしての道産食品の移輸出を促進すること。
②需要が着実に高まっている米粉の利用・普及拡大のための支援に取り組むこと。
③農業や関連産業、地域経済に壊滅的な打撃を与えることが懸念される、WTO交渉、日豪EPA交渉等の国際交渉においての農畜産物関税撤廃等の阻止に取り組むこと。
④食料自給率の大幅向上を目指すに際し食料基地としての重要な役割を果たす本道として、農水産物の安定生産・供給基盤の実効ある整備を図ること。
⑤牛海綿状脳症(BSE)の発生原因究明、迅速診断法確立等の対策を推進すること。全頭検査を継続し、米国産牛肉の徹底したリスク管理を行うこと。
⑥地球温暖化防止等の観点からも、道産材利活用、森林バイオマス等を促進すること。農業の「戸別所得補償制度」に準じた制度の検討等を含め、森林所有者の森林整備へ の取り組み支援を強化すること。
⑦森・川・海を通じた水産資源回復事業を推進すること。海水温上昇等に伴う漁期の変 動や漁獲量減少魚種等を調査し、適切な方策を講じること。水産業・漁村を支える抜 本的な所得補償制度実現等に取り組むこと。

4.地域で安心して暮らし続けるために
(1)医療・福祉基盤の安定確保
①医師、看護師や薬剤師等の医療スタッフの偏在・不足に対応するため、養成・確保対策を強化すること。札幌医大や衛生学院等を活用し、養成や卒後研修サポート等に積 極的かつ責任ある立場で対応すること。衛生学院については、医療基盤確保への道の 役割、責任を踏まえ対処すること。現場負担軽減のため、医療クラーク導入等を進めること。
②地域医療機関の再編は、効率性・採算性の観点のみで推進すべきではない。地域での安心確保を前提に、地域の意向を十分に踏まえつつ、道および支庁が責任を持って地域事情に応じての検討に参画し、地域医療の確保、住民の不安解消に取り組むこと。 道立病院については、地域医療で果たす役割を明確化した対応を行うこと。
③道単独医療費助成、道特定疾患対策医療費助成等について、受診抑制による健康悪化を防ぐ観点等から、拡充・再構築すること。
④「北海道障がい者権利擁護条例」に基づく施策については、障がい当事者の積極的な参画の下、策定・実施すること。
⑤障害者自立支援法の抜本見直し実現までの間、負担軽減措置、障がい児者福祉サービス維持確保のために道としての支援措置を講じること。
(2)地域での安全・安心の確保
①丘珠をはじめとする道内空港からの道内外への航空路線、私バス、離島フェリー等の地域公共交通が揺らいでいる。地域住民の足、産業の基盤である物流網を確保するた めの支援措置を維持・拡充すること。
②国会での「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」で示されている「先住民族の権利に関する国際連合宣言における関連条項を参照した総合的な施策の確立」を 速やかに実現すること。
③消費者行政の充実、消費者被害の防止のためには、消費者相談窓口の充実強化が必要。相談員の増員、待遇改善、研修のための支援措置を講じること。
④消防広域化は、面積の広大さ、積雪寒冷等の本道の条件を踏まえ、単に全国一律・画一的な人口基準によることなく、住民の安全・安心の保持を最優先に対応する こと。
⑤米軍戦闘機訓練の千歳基地移転、矢臼別演習場での米海兵隊砲射撃移転訓練、民間港湾・空港の米軍利用の、なしくずし的な拡大を認めないこと。
⑥地上テレビ放送のデジタル化移行は、本道では多くの条件不利地を抱え準備が極めて遅れている。速やかに実態を調査し、対策に取り組むこと。
(3)教育の機会均等・地域における教育水準の確保
①いじめ等を防ぐためにも、教育水準の維持確保を図るためにも、生徒急減期である今こそ、行き届いた教育が可能な少人数学級編制を推進すること。特別支援教育の強化 のために教員の抜本的増員等に取り組むこと。
②全国学力調査は、全員対象調査から抽出調査への転換に沿って対応すること。
③「新たな高校教育に関する指針」については、教育を受ける権利の阻害や教育格差の拡大を招かないよう対応すべきであり、こうした観点から再検討すること。

会派所属議員の異動について

 2009年12月に鰹谷忠(網走市)議員が辞任。これに伴い2010年1月に行われた網走市部道議補欠選挙で佐藤伸弥氏が当選し、会派に加入した。会派所属議員数は、39人で変わらず。